一陽来復して立春正月。
 一年の最初の節気で、暦の上ではこの日から春です。立春の前日二月三日の節分の日は、一年の最後の日と考えられ、邪気祓いの豆まきをして、立春正月を迎える風習があります。幸せを願うさまざまな行事は古くは中国より伝わり、富貴という漢名を持つ寒牡丹に想い入れをして、春を迎えたよろこびの立春の花とします。
 ひと雨毎に草木の芽吹きを促し、地上に萌芽が兆す時、春の気配が感じられます。
 雪が雨に変わって降るようすを黒い水盤に表現し、青竹にしだれ柳、乙女椿を取り合わせて雨水の花とします。